ボッティチェリとルネサンス -フィレンツェの富と美-


Bunkamura ザミュージアムで開催中(〜2015年6月28日)のボッティチェリとルネサンス展。
ボッティチェリの「受胎告知」からトリミングされたガブリエルの麗しいポスター。
見るだけでため息が出ますが、そこに書かれた「Money  & Beauty」が潔くていいです。
美しさの影にお金ありよね〜ルネサンスってそうよね〜っていう裏側も見れたいい展示でした。
聖書における富って、イコール罪悪の考えが基本なんですよね。
だからメディチを含む富豪たちは、
富を絵画や芸術に活かすことで罪悪感を払拭した、と。
それでルネサンスの文化が花開いたんだから素晴らしいですよね。
富=罪悪の意識ってメディチ家に関わらず、
今の海外の富裕層や上流階級の人たちが、慈善活動とかするのと似てますね。


注)富を還元しない銀行家はこんな感じで描かれちゃいます。ニヤッ


ボッティチェリの絵画って、
美しくか弱そうな女性と、そこはかとなく憂いを帯びた美少年、
微妙に可愛くない赤ちゃん、花がたくさん、柔らかな曲線と淡い色…みたいなイメージ。
師のリッピもそうなのですが、私、大好きなんですね。
美しいものすべてをつぎ込んだ耽美さと、
現実の女性をモデルにしたのが分かるリアリティが。
パトロンや注文主から富を受け、美を謳歌することこそが生きる証のような時代。
だからサヴォナローラ以降のボッティチェリ絵画はあまり好きではありません。
憎しサヴォナローラ。