シャガールは優しい絵を描く。幻想的で愛情深い。そして、とてもかわいい。
最初のテーマの「ダフニスとクロエ」は、2〜3世紀頃のギリシャの恋物語で、
舞台は、エーゲ海に浮かぶレスボス島。
舞台は、エーゲ海に浮かぶレスボス島。
ヤギと羊に育てられた若いふたり…ダフニスとクロエが出会い、恋に落ちていくというお話。
まず出会ったものの「恋」を知らないふたりは、
自分の恋心をどう処理していいのか分からず「これは病気なんだ」と思い込む。
そこへある老人が現れ、恋に効く薬を3つ教えてくれる。
恋に効く薬・・(1)抱き合う (2)接吻する (3)衣服を脱いで一緒にねる
老人は「衣服を脱ぎ一緒にる」とだけ教えたので、ふたりはただ、衣服を脱いで一緒に寝るだけ。
微笑ましい♡
微笑ましい♡
途中、クロエが海賊にさらわれてしまうが、3人のニンフに助けてもらう。
3人のニンフとダフネスは神パンに助けを乞う。この願いにこたえて、神パンの姿が浮かびあがる。
(絵画右上の、赤いのが神パン。)
ダフニスは、 クロエが無事にもどりますようにと懇願し、その場にひれ伏す。
忙しくしているうちに、今年も最後の月になってしまいました。
冬がきて、春を迎えて、夏が過ぎて、秋になり、また冬へ…と。
時間って、あっという間にすぎていきます。
毎年何だ彼んだで季節を楽しむことはしていたので、
こうして東京で暮らしだして、時間に縛られ、人目を気にする生活を送っていると、
アートや、音楽や、美味しい食事や、楽しい集まり等、
当たり前のように楽しんでいた生活が、夢のように思えて少し懐かしくなります。
本題。先週、神奈川県立美術館に行ってきました。
秋の空が清々しく晴れ上がった午後、「鎌倉に行こう!」と思い立って車を走らせて、
ここから鎌倉までは割と近くて、車で1時間とちょっと。
雪ノ下という洋菓子店でお食事をした後、
またしばらく車を走らせていると「シャガールとマティス」の看板が。
ほんとに、たまたま見かけて、嬉しくなりました。
秋晴れ。雲もなく、ひたすら真っ青な空に、白いけど、少し古びた美術館。
建築には全く詳しくはないけど、「昭和に建てられた美術館」って、とても好き。
神奈川県立美術館は「水の中に浮いている」ような外観が有名らしい。
(私が行った日は、改装中?でせっかくの平家池には水が張っていなかったけど。)
前から知っていたらきっとがっかりしただろうけど、
この美術館も初めてだし、なによりたまたま通りがかったところに
こんな素敵な美術館があることが嬉しかった。
小さいけど、見やすく、人のあまりいないところがいいなあと思いました。
また、蓮の綺麗な時期に見に来よう。
きっとここは、夏の似合う美術館だと思うから、夏に来たいなぁ。
実はうちのお店にも、マティスのリトグラフを飾っているし、
それこそ今年行ったニューヨークのMoMA、パリのポンピドゥーセンターでも
シャガール、マティスは見てきたし、きっと毎年、何だ彼んだで彼らの作品は見ているんだけどな。
せっかく本物の絵を見ているのに、「見る」だけで何も感じ取れてなかったなって、
毎回、反省してる気がします。
だからこうして1作品、2作品だけではなく、やっぱりテーマに沿ってたくさんの作品がくるとなると、
もっと深く見れる、知れる気がして嬉しいです。
上にも書いているけどやっぱり「ダフネスとクロエ」のテーマがとても好きだった。
シャガールの世界観によく合っている。
映画を見ることも、小説を読むことも、バレエでストーリーを知ることもなく、
40枚の絵と、その絵のタイトルだけで流れが伝わって、とても感動しました。
知識不足の私でもこんなに楽しめるんだからすごい。
私は絵を見るときはほとんど、綺麗だな、素敵だな、ってそればっかり。
たまに難しいことを考えて難しことも言ってみようって思っても、
ただただ美しい絵の前にはこうやって「きれーい!」「すてき!」と感動するしかないんです。
シャガール、すごくすてきでした!
美術館にもまた来ます。
今度は江ノ電に乗って。
夏のあつーい日に、蝉時雨の鳴り止まない中で絵を見たい。
「ダフネスとクロエ」のテーマはやっぱりシャガールのこの押し絵が一番有名らしいのだけど、
テーマ自体も人気で、ラヴェルがバレエの題材にしたり、
シャガールが描いたオペラ座の天井画にもこのモチーフが使われたり。
この作品はルーブルにある、フランソワ・ジェラールが描いた「ダフネスとクロエ」。
綺麗だなあ。クロエが、とても和やかな表情をしている。
十代の恋愛ってこんな感じなんだなーと、ふたりの温かさまで伝わってくるようです。
同じジェラールだったら下の「アムルとプシュケ」も好きで、
この間のルーブルでも実物を見ることができて、すっごくテンションが上がりました。
それはもう、すごくすごく素敵な絵でした。
小学校のとき絵画の本でこの絵を見つけてあまりの美しさに、
「描いた人は、きっと人間じゃないんだ」と信じておりました。