小山実稚恵さん ピアノコンサート





朝起きたらピアノが聴きたい気分で、探してみたら運良く当日のチケットが購入できたので、
小山実稚恵さんという、日本を代表する名ピアニストの方のコンサートに行ってきました。


(こんなことを書くと怒られるかもしれませんが)今日ピアノが聴けるならどなたでも良いいな、
という気軽な気持ちだったので、普段着に薄化粧というカジュアルな感じで伺ったのです。
小山実稚恵さんのことは恥ずかしながら存じ上げておりませんでした。
なので、なんだかそんな気軽な雰囲気ではない様子…?と、席に着く頃に気付きました。
オーチャードホールすでに満席に近い状態で、皆さま気合い…な感じなのですよ。
「あ、すごい方なのかもしれない」と慌ててパンフレットを見ると、世界的なコンクールで2度も受賞をしている日本人で唯一のピアニストの方なのだそうで、本当にすごい方でした。
私が当日にチケットを取れたのは奇跡に近かったのかもしれません。ラッキーです。






コンセプトの「夢想と情熱」に合わせた、真紅のパンフレットもとても素敵でした。
すごいしっかり作られているんですね。
小山さん、コンサートによって、それぞれテーマカラーを変えられているそうです。
ホールに飾られた装花も、小山さんの衣裳も真紅でエレガントでした。


「最後に音楽を聴きにいったのはいつだったかな」と思い返していましたが、
日本ではもう1年以上も行っていませんでした。
地元にいたときは、そこそこの頻度で音楽聴きに行ってたのにな。
でも久しぶりの生演奏を聴いて、やっぱり音楽っていいな〜って思いました。
小山さんのことは会場に着くまで知らなかった私が言うのもなんですが、すごくいい。
パンフレットには、それぞれの演奏曲目について本当に丁寧に書かれていたのですが、
小山さんの演奏を聴いて、作曲家の想いを全力で表現されているんだなぁと感じました。
「ピアノいいな」だけじゃなくて、ストーリーとして楽しめて、いいなぁ。
今までそんなこと考えたこともなかったけど、絵画鑑賞と似てる楽しみ方かも。



どれもすてきな演奏だったのですが、
このベルリオーズの「幻想交響曲」はぶっとんでいました。

小山さんの解説によると、「病的な感受性と燃えるような想像力を持つ若い音楽家が、恋に絶望し、発作的にアヘンを飲んで服毒自殺を図る。死には至らなかったものの、奇怪で幻想的な夢を視る。」そんな物語を音楽で表現したものだそうです。
もちろんベルリオーズ自身の、失恋の体験を元に作られています。
しまもアヘンまで飲みながら作曲したそうなので、かなりの妄想状態の中作曲されたと言われています。
アヘンを飲みながら…。なんでだよ…と思わずつっこみたくなりますが…。
気になって見てみた、ベルリオーズ幻想交響曲のwikiが面白いので見てみてください。

今回の演奏会では第四章・第五章のみの演奏だったのですが、本来は
第一章: 夢・情熱
第二章: 舞踏会
第三章: 野の風景
第四章: 断頭台への行進
第五章: 魔女の夜宴の夢 で構成されています。タイトル見ただけで、うわぁ…ってなりますよね。

YouTubeで探してみたら小澤征爾さんがオケで演奏していますが、途中で分かりやすい話の解説も入れてくれています。指揮者バーンスタインは「史上初のサイケデリックな交響曲だ」と言ったそうですが、若いころの小澤さん、どういう気持で指揮を振っていたんでしょうね。
今回はピアノでの演奏だったから、わっと感情が煽られるということはなかったのですが、これオーケストラで聴いたらすっごいだろうなぁと思います。楽しそう!機会があったら聴いてみたいです。






最後はベルリオーズの話ばかりになってしまいました。
でもこうして作家に興味を持たせる選曲と演奏ができる小山さんって、ほんとうにすごい方なのだと思います。普段の演奏会なら、曲の背景のこと等はここまで気になったりしませんもの。小山さんが作家さんを尊敬して、多くの人に素晴らしさを知ってもらいたいと演奏に取り組まれているからなのかな…、なんて思ったりします。

小山実稚恵さんHP





同じbunnkamuraだったので、
この日はウッディ・アレンの最新作「ローマでアモーレ」も
観てきました。すごく面白かったです。

ローマでアモーレ