フェルディナント・ホドラー展に行ってきました。
スイスと日本、国交樹立150年を祝う記念の展覧会だそうです。
スイスと日本、国交樹立150年を祝う記念の展覧会だそうです。
興味深い画家でした。
展覧会で初期から晩年の作品が見事展示されているので、ホドラーの人生を垣間見ることができたように思います。
ホドラーは生涯を通してスイスに暮らした人。
同じ時期の画家や彫刻家達(同じスイス出身ならばクレーやジャコメッティ)が、
パリで活動の場を広げていたのとは対照的。
幼い頃に父を失くし、生きるために絵を描いてきた画家。
貧困層の現状を訴えるかのように、綺麗でない絵も書き続けた画家。
女性遍歴も多様。晩年は20も歳が離れた女性と結婚し、でも彼女は末期の癌で…
美しさの絶頂にあるあ彼女を描いた作品と、その後相反するように描かれた「死」そのものの作品は特に印象的でした。
ホドラーの絵画に同時期の印象派のような明るさや快活さはなく、
どこなく陰鬱でどろりとした感情が沸き起こるようなそんな絵が多くありました。
エゴン・シーレの絵が醜くもなぜか人を惹きつけて止まないのと同じように、
ホドラーの作品にもそうした魅力がありました。
ポスターにはスイスの風景画が使われていて、
風景画は明るい色調でそれは素直に「美しい」と思える作品でした。
淡い、淡い世界観。澄んだ空気や透き通るように美しい湖、空、静寂。
それでも作品を見ていくうちに、そうした風景画と相反するように描かれた人物画の方に心を奪われました。
ホドラーの真骨頂は人物画でこそ発揮されるんじゃないか。
感情を引きずり出される、揺さぶられる、そんな思いです。
アートは、同じ絵でも見るたびに違った感情が沸き起こる。
それが本当に面白い、と思います。
自分と向かい合いたいとき、またホドラーの絵画を見るだろうと予感しました。
図録を買ったもののまだ読む時間が取れないので、せめて感じたことだけでもとブログを書いています。
また、図録を読み終わった上で改めて更新するかもしれません。