Bon Voyage! -2


深夜の出発だったから、仕事が終わって家に飛んで帰ってシャワーを浴びて、旅支度を1時間で済ます。
紫の小さなRimowaのスーツケースに必要なものを詰め込み、そして真っ赤な大きなRimowaのスーツケースの中に。
この赤いスーツケースを見ると、これから旅が始まるんだとわくわくする!
イタリアにもアメリカにもウィーンにも一緒にいったRimowaの赤いスーツケース。

シャルルドゴールに着いたのは現地時刻で朝の6時。朝焼けがやわらかい。
手続きをすませて外に出ると、かなり空気がひんやりしていて気持ちよかった。
東京は9月の中旬とはいえまだ半袖でもいいくらい暑い日が続いていたので。
日本はやはり夏が長い。ヨーローッパは逆に夏が短く、すぐに冬が来る。
私が暑いのと海が苦手なせいで夏を楽しむ気なんか毎年さらさらないのだけれど、
こうして見るとヨーローッパに住む人達が短い夏を長い休みを使って楽しもうとする気も分かる気がする。

シャルルドゴールからブルージュまでは、ベルギーのブリュッセルまで電車で行って、そして更に乗り継いで行く。
上手くいって3時間。乗り継ぎが悪ければもっとかかる。
(私達は今回前もって時間を確認せず、列車のチケットの手配もしていなかったのでもっと長くかかった)
そしてやはり日本と違って列車は時間も到着ホームもアバウト。
間際になって到着ホームが変わったようで「ここじゃない!」と気づき、スーツケースを持って、でこぼこのコンクリートの上を走る、走る。
なんとかホームにつき、近くにいたカップルに、ここで間違いないか訪ねると
「僕たちもそう願ってはいるんだけど…」となんとも不安な応えと、不安そうな表情。
本当にここでいいのかと戸惑っているうちに列車が到着するが大丈夫だったようで無事に、ブルージュの街へ着くことができた。
列車で私達が座った席の窓に、ハートの落書きがしてあった。どうやら外側から書かれたもののよう。
母が「恋人同士が書いたものよね、きっと」と言っていた。

そういえばなぜ今回パリだけではなくブルージュにも足を運んだかというと、
まだおじいちゃんが生きていた頃に、一緒に訪れたことがあって思い入れがある街だからです。